告白

3/8
前へ
/8ページ
次へ
通学路は今日も雪が積もっていて、雪が好きなエリカははしゃいでいた。 「見て見てー!あそこに雪だるま!可愛いね」 「お前は昔から本っとに雪が大好きだよな」 「うんっ!だってすっごくきれいなんだもん」 無邪気な子供のように、エリカは満面の笑顔で頷く。 いや、実際に中身も子供みたいなもんなのだが。 そしておれはその笑顔に顔が熱くなるのを感じた。 「?どうしたの?」 エリカが不思議そうに顔を覗きこんでくる。 「っ!な、何でもねーよ」 とっさに目を反らしてしまった。 「そういえばさ、今日は卒業式だよね」 「それがどうかしたのか?」 「…今日がラストチャンス……」 「ん?なんか言ったか?」 「いや、何でもない。行こっ、コウちゃん!」 「あ、あぁ」 いまいち様子が変なエリカを不思議に思いながら、通学路を歩いていった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加