1-1 本気の恋

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 「ねぇ、かっこいいひといた?」  「絶対、彼氏ほしいよねぇー。」  周りがざわつく中、なんとなく耳に入ってきた女の子達の会話。    自分には関係のないことだと、聞こえないふりをする。      少し強めの風のせいで、美しく咲いた桜が勢いよく散る中、そんな会話を聞きながら、私は中学生になった。  春の始まりであった・・・・・・。     みなが浮き足立つ季節。  新しい出会い。  新しい環境。  そんなものに憧れを抱いたり、期待したりすることもなく、なんとなく新しい教室に足を運ぶ。席に座り、周りを眺め、やはりこんなものかと自分の予想に安心を求めようとする。 「恋?」 「私には要らないものでしょ?」  そう、何度も自分に言い聞かせてきた。  自分が今までで何回「恋らしきもの」をしたのかはわからない。  ただ・・・・・・、忘れられない。・・・あの言葉を・・・・・・。 「お前!汚いんだよ!!」 信じてた。クラスでも優しくて私にもいつでも声をかけてくれた男の子。そんな男の子にときめきを抱いた十歳の女の子だった私。  崩れてしまった。。。。。。  あの言葉を聞いた瞬間に崩れてしまったの。。。。。。
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