1-1 本気の恋

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「俺の席、ここであってるよね?」 「え?」 突然のことに思わずびっくりしすぎてしまった。 「白井さん?・・・だよね?」 「俺、山口!山口武(タケル)。」 「あの座席表だと、俺、白井さんの隣だから。」 「よろしくな。」 「う・・・うん。」 なんだ、隣の人か・・・・・・。 なんで、座席は男女隣でないとだめだと決まっているのか。おかげで余計な会話を増やしてしまったじゃない!!  まぁ、いいわ。ただの確認なんだから。私なんて誰も見向きしないでしょ。  卑屈になっていると言われればそうだろう。でも、実際に私の風貌は誰も見向きしないくらいひどかった。  放ったらかしにしているから、伸びっぱなしの長い髪。  眼鏡のレンズも厚く、どうみてもがり勉スタイルの顔。  唇は乾燥でかさかさ。  肌の手入れなんてしたことがないから、荒れ放題の皮膚。  スカートは昔のスケバンか!って思えるほど長い。  全身全霊で「恋」を否定。  大丈夫。・・・・・・これなら大丈夫だもん。  傷つくことを恐れている私はそうすることで、むしろ自分を守っているつもりだった。
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