卒業したての少女

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『保留内当り確定演出 大当りラウンド中、もしくはラウンド後のカットで特別な演出が起こる事で、保留されている回転のどれかでの当りを報せてくれる』 「こりゃ、分からなくなるか?」 「展開次第だろうけど……面白くなってき15Rだと!?」  ラウンド画面が切り替わり、役物が回り出すと同時に『15R』の文字と祝福の言葉。  気が付くと、トップ争いに食い込んでいたーー 「ーー5、4、3、2、1、それまで!」  終了の合図と同時に、ハンドルから手を離す。  暫しの沈黙。 「勝者……佐川美佐!」  朗々と告げられる私の名、途端に挙がる歓声。 「さあ、それでは、優勝賞金の50000玉の贈呈です、皆様拍手!」  改めて巻き起こる祝福と歓声の嵐。 「賞金目録の贈呈は、明日のエキシビションの相手となりますパチプロ、村瀬杏子さんにお願いします!」  一転、静まり返る店内。  響くヒールの音。  店舗内の地下階段から、ゆっくりと、その人は姿を見せたーー ーー八原高校女子寮 『明日か……』 「うん……応援、来てくれる?」  勝利と引っ越しの事、そして明日のエキシビションの事を伝えると、陽は沈黙の淵に沈む。 「だめ……かな?」 『……わりぃ、明日は無理だ』 「そっか……ゴメンね」 『……じゃあ、そろそろ寝っから、お休み』  途切れた通話音をそのままに、込み上げる寂しさに、暫く動けずにーー
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