三の刻み 官能地獄

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三の刻み 官能地獄

背中を撃たれ、その場に倒れる七瀬北斗。意識が朦朧としている中、先ほどの警官が近づいてくる。 「任務、完了しました」 北斗を踏みつけ、警官はその場を去っていった。 北斗の意識はその場で途絶えたのだが、何か声が聞こえたように思える・・・。また、背後から何かが近づいて来るような音も聞こえたように思う。その近づいて来たものが、こう言っていたように思う。 『神は言っている・・・。ここで死ぬ運命ではないと・・・・・・』 七瀬北斗が怪しい儀式を妨害した頃、男は森にいた。村人が200人に満たないこの集落は、いくつもの仕事を一人でやることが当然であった。彼の本業は医師なのだが、村の猟師としても働いている。帰ろうとした頃に、それは起こった。不気味な野太い歌声のように聞こえるそれは、童謡かわらべ歌を歌っているようにも聞こえた。 「また・・・か」 男は愛用の猟銃を構え、急いで山を下った。彼の表情は、まるで全てを見透かしたかのようであった。 「やってくれましたね。紅葉様・・・」 アーカイブNo.02 沢村芳樹の医師免許 5年前に取得したものらしい。生年月日には1981年2月17日と書かれているため、現在は30歳だろうか。
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