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学校から病院までは徒歩で30分程度。
あまり自転車を使う機会がないから生憎持ち合わせていない。
病院までの30分が長く感じる。
歩く度、景色は俺のペースに合わせてゆっくり進む。
ふと視線を巡らせると所々まだ少し肌寒いせいか頬を赤くし歩いている人達の姿、盛んな街の姿があった。
まだ、新学期の初めという事で至るところにいろいろなキャンペーンなど街は賑わいを見せていた。
そんな中、着ぬいぐるみに風船を貰っている子供を無意識に見た。
見た感じでは兄妹だ。
二人共風船をもらい、数メートル先に立っている女性(恐らくは母)の元に行き手を繋ぎ歩いていく…。
だが、不意に妹の手から風船が離された。
油断して力が抜けたのだろう。
妹は今にも泣きそうだ。
風船は高く高くまるで竜のように辺りを巡り上昇を繰り返していった。
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