Prorogueー慧音と阿求

4/5
前へ
/5ページ
次へ
慧音 「期待しておこう。何かわからない所があれば、遠慮なく相談してくれ」 阿求 「じゃあ、玄関まで送らせるわ」  慧音を侍女に送らせると、自室へと戻る。 「剣と魔法の世界ねぇ……。うふふふ……」  阿求はそう言うと、ルールブックを片手にセッション用の話を書き始めた。 「と、言っても、どんな感じのお話にしようかしら……?」  TRPG……Table Talk Role Playing Gameの略で、紙と鉛筆、それにダイス(サイコロ)を使って遊ぶゲームだ。 「やっぱり王道かしら? キャンペーンにするつもりは無いけど、素人が冒険者になるきっかけみたいな話にしようかなぁ……?」  TRPGをイメージするならば、MMORPGをイメージすると良い。それぞれ一人のプレイヤーが一つのキャラクターになりきり、物語を進めて行く。個々のキャラクターのセリフは個々のプレイヤーによって変わって来るし、戦い方も独自のものになって来る……ソードワールド2.0の世界においてのもう一人の自分になりきるのだ。 「それなら、キャラクターを作ってもらう上で制限がいるなぁ……。慧音は何人連れて来るつもりかしら?」  物語の進行は、参加者の一人がゲームマスター(以下GM)と言う立場になり、管理していく。 「ん~……まあ、明日慧音に聞けば良いかな?」  GMはストーリーの途中、プレイヤーキャラクター(PC)たちを助ける脇役キャラを演じ、また時にはモンスターを操り、PC達の行く手をふさぐ。つまり、敵も味方も、GMの担当になるのだ。 「オーソドックスに、物語の始まり的な感じが面白いかな? 住んでいた村が襲われる~とか」  戦闘の勝敗、罠の回避など、PCのとった行動が成功するかどうかは、GMの指示の下、ダイスによって判定されるのだ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加