3人が本棚に入れています
本棚に追加
慧音
「期待しておこう。何かわからない所があれば、遠慮なく相談してくれ」
阿求
「じゃあ、玄関まで送らせるわ」
慧音を侍女に送らせると、自室へと戻る。
「剣と魔法の世界ねぇ……。うふふふ……」
阿求はそう言うと、ルールブックを片手にセッション用の話を書き始めた。
「と、言っても、どんな感じのお話にしようかしら……?」
TRPG……Table Talk Role Playing Gameの略で、紙と鉛筆、それにダイス(サイコロ)を使って遊ぶゲームだ。
「やっぱり王道かしら? キャンペーンにするつもりは無いけど、素人が冒険者になるきっかけみたいな話にしようかなぁ……?」
TRPGをイメージするならば、MMORPGをイメージすると良い。それぞれ一人のプレイヤーが一つのキャラクターになりきり、物語を進めて行く。個々のキャラクターのセリフは個々のプレイヤーによって変わって来るし、戦い方も独自のものになって来る……ソードワールド2.0の世界においてのもう一人の自分になりきるのだ。
「それなら、キャラクターを作ってもらう上で制限がいるなぁ……。慧音は何人連れて来るつもりかしら?」
物語の進行は、参加者の一人がゲームマスター(以下GM)と言う立場になり、管理していく。
「ん~……まあ、明日慧音に聞けば良いかな?」
GMはストーリーの途中、プレイヤーキャラクター(PC)たちを助ける脇役キャラを演じ、また時にはモンスターを操り、PC達の行く手をふさぐ。つまり、敵も味方も、GMの担当になるのだ。
「オーソドックスに、物語の始まり的な感じが面白いかな? 住んでいた村が襲われる~とか」
戦闘の勝敗、罠の回避など、PCのとった行動が成功するかどうかは、GMの指示の下、ダイスによって判定されるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!