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いらいらして尻尾を振ると、彼女の声も怒りで震え始めた。
『産まれた子猫は全て主に奪われました。私は、なにもできなかった。子猫達は恐怖でミーミー鳴いていたのに、私は……。だから逃げてきたんです。もう耐えきれなくて……』
ジョンは、自分なんかが下手に声を掛けるのは良くないと思ったので、黙って近付いて身体を押し付けた。
彼女の呼吸が伝わってくる。
『ここで暮らすか?』
落ち着いてきた頃、ジョンはそう尋ねた。
え?と間抜けな声をあげて彼女がジョンを見つめる。
『行く所無いんだろ?』
『でも……良いんですか?』
『仲間ができて逆に嬉しい』
そう告げると、彼女の曇っていた瞳に明るさが差したのが見てとれた。
それを見て、ジョンの心にもほんわかしたものが広がる。
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