第1章:終わりは始まり

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†*†*†*† リリーローズが一通り話し終えると、ぶち模様の彼は押し黙ってしまった。 なにか、考え込んでいるのかもしれない。 「驚いた……」 「え?」 「お前、名前は?」 「?……リリーローズ」 彼女が自分の名を口にした途端、目の前の雄猫の表情が変わった。 「リリーローズ……」 「あの、なんですか?」 「……いや、昔リリーローズって名前の白い雌猫が逃げて来たことがあってな。お前と同じオッドアイだった」 リリーローズはそれを聞いてすぐに察した。 彼はその“リリーローズ”を愛していたのだろう。 しかし、なんらかの形で失った。 多分、そんなところだろう。 そして、そこに失った彼女と毛の色だけ違う、もしかしたら境遇も同じ、猫が現れた。 それで『驚いた』と。
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