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「ここに……住めよ」
やがて、そう言った彼はとても苦しげな顔をしていた。
まるで、リリーローズに言っているのではなく、昔の出来事を追っているようだ。
「俺はジョン」
ジョンは遠い目をして、視線をリリーローズから外した。
彼の黒い瞳は透明な四角い場所へ向けられていた。
“あいつ”の住みかにもあった。
確か……『マド』といった。
あれは不思議だ。
外の暑さも寒さも関係なしに風景だけ見ることができる。
暖かい日の光も浴びることができる。
ジョンにつられるようにしてマドの外に目を向けると、止んでいた白くて冷たいものは水に変わっていた。
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