第2章:夢

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リリーローズがジョンと暮らしはじめて、いくらかが経った。 前の“リリーローズ”のように密接な間柄になることは無かったけれど、彼がたまに目を細めた時は対処に困る。 彼女とリリーローズを重ねているから。 その時、そのままにしておいた方が良いのか、現実ではないから覚ましてあげた方が良いのか判らなかった。 そんなある日のことだった。 ジョンは食べ飽きたからからと、ネズミではなく小鳥を捕まえてきた。 それをぺろりと食べ終え、一息ついていたら目の前の光景が一瞬にして変わったのだ。 周りの古ぼけた住みかではなくたくさんの木々が生い茂っている。 「ジョン……!」 いくら見回してもぶち模様の姿はない。 リリーローズは恐怖で身体がすくんだ。
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