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リリーローズの肉球は冷えきっていた。
感覚が麻痺してしまっている。
今は止んだが、さっきまでは空から白い、砂よりもサラサラしたものが降ってきていた。
それが特に彼女の身体を芯から冷やしていく。
そんな白いものに脚をとられながら進んでいると、人間の住みかが目に飛び込んできた。
“あいつ”から逃げてきた時は住みかがたくさんあったけれど、リリーローズが歩いていくうちに木々が増える代わりにどんどん少なくなっていた。
ふらふらと弱った身体を奮い立たせて近付くと、猫1匹通れそうな程よい隙間があった。
今日はここで一夜を過ごすことに決めたリリーローズはサッと身体をしのばせた。
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