第1章:終わりは始まり

7/14
前へ
/42ページ
次へ
「美味しい……」 「だろ? この味を知らずにカラカラのキャットフードを食べてるペットさんは可哀想なこった」 それから夢中でネズミにがっつくリリーローズを彼は可笑しそうに見つめていた。 「さて、事情を聞かせてもらおうか。なんでこんな所にいる?」 言わない訳にはいかないな。 彼の黒い瞳が逃げさせないとそう言っている。 思い出すのも嫌なことだが、勝手に侵入しているのは自分だから仕方ない。 リリーローズはある程度言葉をまとめると、ぽつぽつとここにいるまでの経緯を話し出した。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加