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「美味しい……」
「だろ? この味を知らずにカラカラのキャットフードを食べてるペットさんは可哀想なこった」
それから夢中でネズミにがっつくリリーローズを彼は可笑しそうに見つめていた。
「さて、事情を聞かせてもらおうか。なんでこんな所にいる?」
言わない訳にはいかないな。
彼の黒い瞳が逃げさせないとそう言っている。
思い出すのも嫌なことだが、勝手に侵入しているのは自分だから仕方ない。
リリーローズはある程度言葉をまとめると、ぽつぽつとここにいるまでの経緯を話し出した。
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