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「母さん、紹介するよ。溝口由依さん。
その……結婚しようと思ってるんだけど。」
俺の言葉に母は少し眉をひそめた。
今まで見た事がない母の表情に俺は少し不安になり、顔が強張る。
そんな俺の表情に気付いたのか、母はすぐにいつも通りの穏やかな笑顔に戻ると、由依に目を向けた。
「由依さん…。至らぬ息子だけど、末長く宜しくお願いしますね。拓人はいつも急だから……。母さんびっくりしちゃったわよ。」
そう言うと、母は手に持ったお茶をゆっくりと飲み干した。
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