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さて、もう一方の三好元長は地団駄を踏んで悔しがっていた。
敵総大将、細川高国の行方が一向に分からないからだ。
元長「チッ、高国め、一体どこに逃げおったのだ!!
誰でも良い、早く高国を見付けんか!!」
一秀「……私にお任せ下さい!!」
悩める元長の前に現れたのは、三好一秀という武将だった。
元長「……出来るのか?」
一秀「恐らくは……」
元長「よし、ならば任せてみようではないか。ここに高国の身柄を連れて参れ!!」
こうして高国捜索の任を任された一秀は、その足で街へと向かった。
まず彼が足を踏み入れたのは……。
……果物屋であった。
別に、高国が果物屋に隠れていると思っていたのではない。
一秀は果物屋で『まくわ瓜』(和製メロン。当時の高級フルーツ)を大量に買い込んだのだ。
そしてまくわ瓜を抱えた一秀、今度は何を思ったか、その辺で遊んでいた子供達に声を掛けた。
一秀「やぁ、良い子のみんな!!ちょっと良いかな!?
実はおじさん、かくれんぼをしているんだけど、あと一人がどうしても見付からないんだ。
探すのを手伝ってくれないかな!?
見付けた御褒美には、この甘くてオイスィ~瓜をプレゼントだよ!!」
この一秀の提案に、近所の子らは喜んで駆け出して行った。
そして間もなく……。
子供「……あ!!おじさんみーっけ!!」
高国「…………はッ!?」
一秀「おやおや、そんな所にいらっしゃいましたんで?高国さん……?」
(ニヤリ)
これによって子供達は御褒美の瓜を美味しく頂き、
高国は広徳寺に連行されて自害させられましたとさ。
……めでたしめでたし?
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