おばあちゃんの思い出

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奥州の眼帯野郎、伊達政宗。 ヤンチャし過ぎな彼だが、実はおばあちゃんっ子だったらしい。 政宗の母方の祖母、名前を久保姫という。 政宗は母親には毒殺されかける位仲が悪かったが、久保姫は孫を可愛がっていたそうだ。 また政宗も、優しいおばあちゃんを大変慕っていたらしい。 政宗が米沢城から岩出山城へ移った時の事である。 同じく米沢を出た久保姫は、根白石という場所に移った。 根白石は岩出山とはかなり離れた場所だったが、彼女はここが気に入ったらしい。 久保姫「ここはおばあちゃんの故郷の岩城にそっくりね。 おばあちゃんココが気に入ったわ。死んでも絶対にココから離さないでね」 そんな遺言を政宗に残し、久保姫は根白石で亡くなった。 政宗は遺言を守り、根白石に宝積寺を建てておばあちゃんの冥福を祈った。 だが、根白石は岩出山からは非常に遠かった。 政宗が仙台に移っても、根白石が遠いのはあい変わらず。 ( ●ω・`)「これじゃあ、おばあちゃんの墓参りに不便だYO……」 ( ●ωー)「でもおばあちゃんの遺言で、墓を移す訳にもいかないしYO……」 (●∀´)b「……そうだ!! 仙台にもおばあちゃんのお寺を建てれば良いんだYO!!!!」 こうして仙台にも久保姫の冥福を祈る寺が建設され、政宗は城から毎日、寺の森を目印にして手を合わせていたという。 ぶっ飛んだ政宗には珍しい、ホッコリ良い話。 ……あれだな、普段ヤンチャな奴が少し良い事をすると、物凄く良い奴に見えるパターン。 『映画版ジャイアンの定理』だなコレ。
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