忠郷『コイツだけは泊めたくない』

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蒲生氏郷の孫、忠郷は会津60万石の領主である。 ある時、忠郷がこんな愚痴をこぼした事があった。 忠郷「仙台の伊達政宗が参勤交代の途中、ウチの若松城下に泊まるの超イヤなんだけど」 忠郷は何も個人的に政宗を嫌っていた訳では無い……と思いたい。 参勤交代の行列と言っても、要するに軍隊の行進である。 よってその国の首都に軍隊が一晩駐留するのは、防衛上甚だよろしくない。 したがって当時は、参勤交代の行列は城下街を避けて宿泊するのがマナーだったのだ。 しかしそこは政宗のやる事、空気が読めないのはお察し下さい。 忠郷の愚痴を聞いた家臣の蒲生源左衛門が、自分が何とかしようと進み出た。 源左衛門「そりゃ簡単ですよ。 私の才覚で、あの眼帯野郎が二度と若松城下に泊まれないようにしてやります」
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