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私達の学年の人たちは電車に乗っていた。
車窓から眺める景色は林であったり、海や湖だったりした。
私は窓を背にした席に座り、後ろを振り返って景色を眺めていた。
景色を眺めていると、何だか無性にアイスが食べたくなってきた。
電車の中には引き戸みたいなものを引いて取るアイスボックスと言えば伝わるだろうか?そこは無人なのだがどこかにお金を払ってアイスを買った。
板チョコの中にバニラアイスが入っていて種類がミルクチョコとイチゴチョコの二種類があり、私はミルクチョコのものを買った。
幼なじみの健が近づいてきて「俺にも奢れよ」と言ってきた。仕方ないので渋々奢ってやった。
そろそろ目的地の山荘も近い。
そこで私は気づいた。一万円近く持って行ったのにあと千円しかないではないか。
山荘でそれだけの金額で過ごすことを思うと、不安がつのった。
山荘はもうすぐなのに、やけに電車と時間の流れが遅いな、と感じた。
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