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「ぐっ」
と、バルは立ち上がろうとする。魔術師は彼の目の前に現れ、バルの顔面を踏みつける。
「このまま殺しても仕方がない」
「何する気だ」
「お前を不老不死にしてやる。死ねない恐怖を味わうがよい」
バルの体は光り始めた。そして、次の瞬間、バルの体が大きくなり始めた。体から灰色の毛が生え始める。
「貴様、他に何をした」
「お前は大きな狼に変えてやっただけだ」
バルの姿は次第に狼になって行く。
「狼だが言語は人間の言葉を話せるようにしておいた。それじゃあ」
と、魔術師はどこか消え去ってしまった。馬ほどの大きさの灰色の毛並みをした狼に、バルは変身してしまったのだ。
「バルさん。大丈夫ですか」
「ああ。俺は・・・・」
「狼に成っています」
と、あっさりと助手はそう答えた。バルの瞳から涙を流していた。
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