32人が本棚に入れています
本棚に追加
★
「で、友情を深めたのはいいけどぉ!?」
次の日。
せっかくなので彩子にこの友情劇を伝えようとした。
そう、しただけだった。
でも僕はマウントを取られて殴られそうになっている。
因みに晴彦はゴミ箱に頭から突っ込まれて動いていない。
「私の事なんて言ったのかな? 粗暴? 暴力的ぃ?」
ははは、ここからだと笑顔が陰って怖いですよ彩子さま……。
「因みに後厄介者も――――痛い! 痛い! 暴力反対!!」
昨日ぶった頬を殴るなんて!
何でこんな事されないといけないんだ! ヒドすぎる!!
何発か殴られた後、ようやく彩子が立ち上がって僕を開放してくれた。
「はぁ……少しすっきりした」
「くそ、何で俺達がこんな目に……」
「全くだよ……」
お互い痛い箇所をかばいながら先程喋っていたポジション……というより自分たちの席に戻る。
「で、あなた達は何でそんな話をしてきた訳? わざわざ殴られに来た訳じゃないよね?」
「当たり前だ! 俺達は深~い深~い悩みがあったんだよ!」
「そうそう! 結局キャラクターが決められなくて困っているという、この深~い悩みに!」
「毎度毎度浅すぎる悩み……」
「なんだと!? 謝れ! 全国のギャルゲファンに謝れ!!」
「……はぁ」
明らかに僕達を馬鹿にしたため息を付いている彩子。
なんて罪深いやつだ! 今度靴に飴玉仕込んでやる!!
最初のコメントを投稿しよう!