32人が本棚に入れています
本棚に追加
「……いいか? ここはかなり重要な場面だからな?」
「あぁ」
「俺は応援しか出来ない。お前が全力で彼女の思いにこたえてやるんだ!」
「分かっているさ。だが、僕を誰だと思っている? 恋愛の魔術師、加々宮 英悟(かがみや えいご)様だぞ?」
「その言葉、忘れるんじゃねぇぞ!」
「あぁ。彼女の言葉、目線、挙動性格スリーサイズ! 全てを合わせて導き出した言葉はこれだ!」
『
{俺と付き合って欲しい}←
{ごめん、君とは……}
{一緒にホテル行こうか?}
』
『嬉しい。是非ともお願いします』
{かなえさんが彼女になりました。}
「「いいやっっったぁあぁああーーー!!」」
地の文、そして画面の映像を確認した僕たちはPS2.5のコントローラーを投げて、お互いの肩を抱き合った。
僕たちは遂に超難関の砦、ギャルゲーにおける【彼女を作る】をマスターしたんだ!
「夢、夢じゃないんだよな!? 英悟!」
「あぁ。僕たちは遂に掴んだんだ! この先にあるヘブンを!」
「七、八回まで欲望と劣情が先行してホテル直行だったけど……。遂にクリア! やべー。今日は興奮して眠れねぇよ!!」
「馬鹿野郎! 僕たちの恋愛は今始まったんだ! 眠るなんて邪道、神様が許しても僕が許さない!」
「うぉおぉおおぉおおお! 俺、英悟様に一生ついていくぜぇ!」
「来い晴彦! この運命を共に見届けよう!!」
「おう!」
これが、僕たちにとって最初の彼女(?)でした。
最初のコメントを投稿しよう!