始まりでも彼女を作ります

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「……いいか? ここはかなり重要な場面だからな?」 「あぁ」 「俺は応援しか出来ない。お前が全力で彼女の思いにこたえてやるんだ!」 「分かっているさ。だが、僕を誰だと思っている? 恋愛の魔術師、加々宮 英悟(かがみや えいご)様だぞ?」 「その言葉、忘れるんじゃねぇぞ!」 「あぁ。彼女の言葉、目線、挙動性格スリーサイズ! 全てを合わせて導き出した言葉はこれだ!」 『 {俺と付き合って欲しい}← {ごめん、君とは……} {一緒にホテル行こうか?} 』 『嬉しい。是非ともお願いします』 {かなえさんが彼女になりました。} 「「いいやっっったぁあぁああーーー!!」」 地の文、そして画面の映像を確認した僕たちはPS2.5のコントローラーを投げて、お互いの肩を抱き合った。 僕たちは遂に超難関の砦、ギャルゲーにおける【彼女を作る】をマスターしたんだ! 「夢、夢じゃないんだよな!? 英悟!」 「あぁ。僕たちは遂に掴んだんだ! この先にあるヘブンを!」 「七、八回まで欲望と劣情が先行してホテル直行だったけど……。遂にクリア! やべー。今日は興奮して眠れねぇよ!!」 「馬鹿野郎! 僕たちの恋愛は今始まったんだ! 眠るなんて邪道、神様が許しても僕が許さない!」 「うぉおぉおおぉおおお! 俺、英悟様に一生ついていくぜぇ!」 「来い晴彦! この運命を共に見届けよう!!」 「おう!」 これが、僕たちにとって最初の彼女(?)でした。
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