月夜に浮かぶ、狩人の影

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太陽が西へ傾き夕闇の迫る頃、三人の年若い冒険者が村への道を急いでいた。 夜は闇に住むモノ――悪魔の活動が活発になる。 いくら冒険者といえども、暗い山道をうろつくのは気が進まない。 それに、彼らにはもう一つ急ぐべき理由があった。 知り合いの神父から『悪魔退治の手伝いをして欲しい』と、連絡があったのは、もう一ヶ月も前になる。 たまたま遠方への冒険に出ていた為、出発が遅れてしまったのだ。 「もう少しで着くはずですよね」 小柄な青年、レイリー・サンドラがそう言って顔を上げた、その時。
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