847人が本棚に入れています
本棚に追加
遠藤は一度頭の中の情報を整理し、それらを繋げていった。
陸館はその様子を見て笑う。
「本当に拓真君に似てるね。」
「それは親父にですか?それとも大伯父に?」
「どっちも。元々遠藤家はズル賢い方の頭が良いからね。」
「そうなんですか。でも、その能力も沼野紅に移ったんですよね。」
「そうだよ。でも拓真君は遠藤君の知ってる能力は全部使えるよ。全ての能力を合成して一つの能力として体に封じてるからね。」
「あーなるほど。」
遠藤は沼野を思い出し、次にその守り人であった海藤翔平を思い出す。
「今の皆って裏の四大起源とコンタクト取ってますか?」
「いや全く。遠藤君達みたいにKやDが味方だと嬉しいんだけどね。」
「Lの守り人って誰か分かりますか?」
「ううん、知らないなぁ。」
その時、遠藤は海藤についてある疑問を持った。
その疑問はすぐに解消された。
しかし更に別の疑問が生じた。
その瞬間、遠藤の中で全ての謎が解けた。
遠藤は突然笑い出す。
「ク、クク…、アハハ。」
遠藤は頭を押さえる。
「そっか、簡単な話だ。あの人しかいない。」
遠藤は陸館を見る。
「陸館さん、あの少女とその待ち人の正体に気付きました。」
陸館は遠藤の脳内を読み取る。
その瞬間、陸館は思わず吹き出して笑った。
「え、本当に?それはなんて可哀想に…。」
遠藤は立ち上がり、本の山を元の場所に片付けに行く。
「もう昼ですから外に出ていいんですよね。」
「いいけど、それでも遠藤君達の世界とは違うよ?僕もついて行くよ。」
「ありがとうございます。」
遠藤は本を片付け、ブーメランを腰に携えた。
「遠藤君、一睡もしてないのによくそんなに動く気になれるよね。」
遠藤はクマができている目をこする。
「大丈夫ですよ。俺は自分の体くらいは操れます。」
「うん、それって全然大丈夫じゃないよね。」
「これが終わったらぐっすり寝ます。俺達の世界で。」
遠藤と陸館は家を出てある種の地獄へ足を踏み入れた。
最初のコメントを投稿しよう!