2.纏 腐

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「何なんですか、この騒ぎ?」 遠藤は杉原に聞く。 「歓迎だと思ってくれればいいよ。」 杉原は明るく言う。 「それより、呼ばれているから早くした方がいい。」 「誰にですか?」 遠藤が聞くと杉原は人さし指を上に突き出した。 (上層部(うえ)から…。) 誰が呼んでるか想像はできるがどこにいるか分からない。 杉原はどこかへ行ってしまい、大瀧は桜庭と話している。 遠藤が困っていると沙樹下が遠くで手招きしているのを見つけた。 遠藤が近づいてみると、不機嫌そうに遠藤とは反対方向に大股で歩いていく。 遠藤は走って沙樹下の隣につくと沙樹下が話しかけてきた。 「遠藤君、よく正気が保てたわね。」 褒められたので照れながら言う。 「いや、そんなことないですよ。」 沙樹下は遠藤の顔を見ずに話す。 「あんたみたいな○○が何で私の能力を消せるのよ。」 遠藤は固まる。 沙樹下の言葉に心が崩れる寸前にまで陥った。 悪口にではない。 「早くこっち来なさい。」 遠藤は沙樹下の言葉で立ち止まっていた事に気づく。 遠藤がまた沙樹下の隣につくと沙樹下が話し始めた。 「はあ…、やっぱりまだまだなのかな…。」 遠藤は落ち込んでいる沙樹下を見て「小さい」と思った。 (沙樹下さんだって普通に見れば小学生位なんだよな…。…ん?「さん」?) 遠藤は音の力がなくなった為、ないがしろにしていた質問を沙樹下に投げかけた。 「失礼ですが、今何歳ですか?」 初めて沙樹下は遠藤の方を見た。 「女の子にそういうこと聞くのね。流石変態。まあいいわ、今は…十三歳よ。」 「え!?」 「だからタメ口でいいわよ。」 沙樹下が微笑みかけてきた。 サイズ的には小学生三、四年生である。 「は、はい。分かりました。」 「堅いわよ。」 沙樹下が笑った。 その時、遠藤はあることに気付く。 「さっき沙樹下さんが言っていた【まだまだ】って能力に強弱があるって事ですか?」 沙樹下が驚いた顔で言う。 「そうよ、知らなかったの!?全く杉原や大瀧は何を話してたんだか…」 沙樹下は溜め息をついた後、腰に手をおいて、やれやれといった感じで遠藤に説明した。 「まずは能力について。種類は大きく分けて三つ。一つは自分にプラスされる能力。遠藤のがいい例ね。二つ目は相手にマイナスをつける能力。田中が例ね。三つ目はプラスでもマイナスでもない能力。」 説明は続く。
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