3.原 変 錬

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「遠藤の話を聞いてもう一つ思った事がある。」 笠松は下を向きながら言った。 「何だ?」 「遠藤の未来は絶対不可避だってこと。」 「え?」 「先ず、最初の杉原って人の時。あれは遠藤が知らなかった人間。つまり、予測不可能な状況。 次に大瀧って人の時。確かにダメージは受け、イメージと合っていたんだ。」 「ああ、そうだ。」 「次に僕の時。僕のは死んでいなかったんだよね。」 遠藤は思い出す。 「確かに。切られる寸前だったな。」 「そこから未来はない。つまり、運命・未来は変わってない。」 「じゃあ、俺の能力は何なんだ?」 「僕が思うに…遠藤の能力は未来を予知するなんて生易しいもんじゃない。自分が知っている人の情報を全て把握し、かつその全ての人の未来を把握する。その中で自分が死ぬ、または回りが死ぬ瞬間を100%予測する。」 笠松の話を遠藤は全て聞いた。が、意味が分からない。 笠松は続ける。 「もし遠藤がその力を思い通りに出来れば、世界が操れるかもね。いや、全くすごい力だよ!遠藤は。」 何か見落としといる気が…。 「それを踏まえて、楓の件だけど…」 遠藤は息を荒げた。 「そうだ!お前の話が本当なら桜は!」 「待て待て落ち着いて。」 笠松は至って冷静だ。 「何でそんなに落ち着いてられんだよ!」 「大丈夫!僕には考えがある。その考えでいけば、僕の仮説も合ったまま未来を避けれる。」 「は?」 「まあ、任せといて。ただ、遠藤には教えられない。未来が崩れるからね。まあ、全て僕に任せといて!」 現在に至る。 「よし、路地を右側に抜けて!」 笠松は叫ぶ。 二人はダッシュで曲がり角へ行った。 後ろからついてくる音がする。 遠藤が右へ曲がろうとした時、笠松は反対側の左へ曲がった。 「そこで転んで!」 遠藤は意味が分からないまま、指示通りその場に倒れた。 笠松は何かを連れ出した。 制服を着たあの後ろ姿は… 「え?桜?」 それは片桐にぶつかり、片桐に首を切られた。 遠藤の近くに転がる。 間違いない。あの髪型は… 「桜ー!」 笠松は倒れている遠藤を起こす。 「未来確認終了!行くよ遠藤。あれはマネキンだ。家から持ってきて貰った。」 「へえ!?」 変な声が出た。 「とにかく、あれは桜じゃない。立て!逃げるよ!」
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