3.原 変 錬

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二人はある店に寄り、品を買って戻った。 片桐はまだその場に立っていた。 「あ、来た来た。早く続きしよ。」 手を振っている。 「おい、あの子すごい元気だな。」 「あ~、倒すのかわいそうだね。遠藤、さっき話した通りに行動してね。勝率は…5%かな。」 「おいおい、えらく減ったな。」 二人は笑う。 「よし行くか。」 二人は片桐に向かって走る。 遠藤は片桐の右側、笠松は正面で止まった。 笠松が袋から粉状の物をとり、片桐に投げる。 片桐は右手で粉を気体レベルにまで分解する。 「うお!」 遠藤は驚きと同時にポケットから球状の物を投げた。 同じタイミングで笠松は片桐の方へ向かった。 笠松は袋から何かを取り出した。 「成功しろ。」 遠藤の投げた球が片桐の目の前に来た時、笠松は手に持っていたそれらを投げた。 数秒後、光が三人を包む。 光は数秒で消えた。 遠藤が目を開けると、笠松が片桐の両手を上に掲げ、抑えていた。 「何で!?何が起きたの?」 笠松は説明する。 「ナトリウムだよ。僕が投げたのは重曹だ。知ってるかい?重曹には水酸化ナトリウムっていうのが含まれていてね。ナトリウムを入手するのは難しいし、何より時間がなかったから、片桐を信じていたよ。」 片桐を信じていた… 片桐は胸が高鳴った。 「予想だと片桐の能力は原子の変化。要は錬金術みたいなものだろうね。但し、原子の量、種類等、質量保存の法則なんかを無視するのは無理そうだね。だから、僕は水酸化ナトリウムを使って片桐にわざと分解してもらった。不意にすればきっと一番小さく、単純な物質に変えると思ったんだ。本来なら炭酸ナトリウムと水と炭酸になるんだけどね。予想通り、ナトリウム、炭素、酸素、水素に分けてくれて助かったよ。」 助かったよ。 片桐は頬を染める。 遠藤が割る。 「ナトリウムと光って何が関係するんだよ。」 「ナトリウムと水が反応すると光を放つんだけど、強すぎると爆発するんだけどね。いや~、良かったよ。」 笠松は笑顔だ。内容は笑えない。 「さて、片桐をどうするか…」 笠松が考えていると 「あ、あの」 片桐から話しかけてきた。 「何だい?」 「は、放して下さい。」 「ああ、いいよ。」 え!? 遠藤は止めようとしたが、時既に遅し。笠松は手を離した。
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