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「―――っと、御馳走さま。今日の朝ご飯も最高だったよ、ありがとう。明日も君の手料理、楽しみにしてるからね」
ティーカップの紅茶を飲み干して立ち上がると、兄さまはメイドの手を握りながら優しくそう言った。
「ははははいいっ///」
顔を近く覗き込まれ、メイドはまた顔を真っ赤にしてこくこくと頷いている。
「もう来なくていいですわ」
温かいミルクティーを飲みながら冷たく言い放つと、
「姫ってばつれないなあ‥どうするの、僕がもし姫に会いたくて毎日来てたとしたら」
「ちっとも嬉しくないですわね、そんな好意。
‥‥そんな目で見たって、姫には効きませんわよ」
「ふふ、わかってるよ。ま、そんなツンデレなところが姫の可愛いところなんだけどね」
「はいはい、ありがとうございます」
そう言うと、兄さまは「はは、さすが姫」と楽しそうに笑った。
「じゃ、僕は行くよ。また学校でね、姫」
「いってらっしゃいですわ」
そう言ってノア兄さまは、来た時と同じ様に窓から黒い翼を伸ばして飛び立って行った。
‥‥窓から入ってくるのはいつ止めてくれるのかしら。
少し冷めてきたフレンチトーストを口に運びながら、もう一度ため息をついた。
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