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――しろこお姉さまとは、ノア兄さまとは違う、いわゆる"幼なじみ"の関係。
幼稚園の頃から一緒で、きっかけはしろこ姉さまの方から話し掛けて来たのが始まり。
親同士仲が良かったせいもあって、両親の仕事の関係で引っ越した先は姉さまの家のすぐ側。
それから私と姉さまはずっと一緒にいる。
「ふわああわ‥」
そんなことを考えていると、隣で姉さまの大きなあくびが聞こえてきた。
「‥また寝不足ですの?姉さまの場合、最低でも8時間睡眠取らなくては今日一日もちませんわよ?」
私がいつもの様にそう注意すると、姉さまはそれはそうなんですが‥‥、と続ける。
「どうしても修業に時間がかかってしまいましてですね‥」
「‥まだ完成しませんの?その何とかって技」
ふう、とため息をつくと、姉さまは「はい」と小さく返事をした。
「まだまだ基礎がなってないみたいです‥‥父様のような偉大な妖狐になるには、しろこじゃまだまだ程遠いです」
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