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身を切るような寒さが辺りを支配している。
ほう、と吐いた息は、白くなって真っ暗な夜空に溶けていった。
いつもはしんと静まり返っている神社の中は、二年参りに来た沢山の人で賑わっている。
―――現在、23時45分。
あと15分で、新年を迎える。
「はわわわわ‥、さささっ、さむいですっ」
その人ごみの中に、肩をさすりながら小さくなっている銀髪の少女と、
「お前のその格好じゃあなあ(笑)」
その少女を見つめながら呆れたように笑う少年が一人。
「くくく九尾先輩は、寒くないんですか‥?」
背の低い少女がおずおずと見上げると、
「俺は中に着込んでるからな。てゆーか、なんでお前は上着着て来なかったんだよ」
"九尾"と呼ばれた少年は得意げに答えた。
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