(七)京都の学生

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部下の谷岡佑介が尋ねた。 「ところで、あの向井さん、各議員に届いたメールの記録を調べなくてもいいんですか」 「ああ、そんなこと、とっくに公安がやってくれているだろう」 「ええ、確かに。アイツらは、この何日かでメールの送信元とされている各議員の地元の支援者達などを調べたようですが…でもどのメールのアドレスもでたらめだったようでしてね」 「要するに、全部この世に存在しないアドレスだったんだろ」 「ええ、そうらしいです」 「私も、政治家達にメールを送ったとされている商工会議所の所長や農協職員の名前を、家でネット検索してみたら、すぐ見つけられたからね。 彼らは皆それぞれ地元でさまざまな活動をしている人達だったから、簡単にプロフィールが取得出来る。 きっと犯人も、ネットなどから適当に、宛名を選んだに違いないよ」
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