(七)京都の学生

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その後、二時間半かけて京都駅に着く。 すると、お約束通り、この件を担当した府警の捜査官が二名、改札口で待っていた。 簡単に互いに自己紹介をして、それぞれ名刺を交換し、その足で、京都駅から地下鉄に乗り換えて。御苑の付近にまで。 桐生尚人の下宿している学生マンションに案内してもらった。 ノックをすると、応答がない。 府警の捜査官の一人がノブに手をかけて回すと、簡単にドアが開いた。 中はザッと見通せるほどのワンルーム。 すると奥の机の前のイスに背中を丸めて座っている青年がいた。 後ろ向きなので顔は分からなかったが、小太りで背が低め。 その点を指摘して、以前、事情を聞いた京都府警の捜査官達二人が、おかしいと言った。 特徴が違い過ぎるのだ。
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