(七)京都の学生

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「というと…」 「実は昨日の夜、僕のPCのアドレスに、突然送られて来たんです」 「送信元は、まったく君の知らない相手なのかい」 「ハイ。で、僕、もう、その手の宛名不明のゲームにこりごりしてたんで、無視してたんです。ただ偶然、昨夜も藤野さんが来てたから、ちょっとこれまでのことを、愚痴ったりしたんです。ご存知だと思いますが、僕は、知らない乞食からもらったバーコードリーダーのせいで、府警に事情聴取されたりした訳だし…」 「ふん、なるほど。それで、君は、ゲームのURLを開けなかったということは、中身をぜんぜん確認してないんだよね」 「ハイ。アドレスだけ見てると、どうも怪しい印象を受けたので…でもまさか藤野さんが、あれをして、意識をなくしちゃうなんて…彼、怖いもの見たさだとか言って。昨日からやってみたいってしつこくて。それで削除せず、デスクトップに貼り付けて、置いていたんです」
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