412人が本棚に入れています
本棚に追加
尚人はもう何がなんだかさっぱり分からなかったものの、これで就職出来るのであれば、どんなことでもしたい気持ちだった。
そこで二つ返事で承諾した。
田所部長はその返事を聞いたのち、スーツの胸元から小型の器械を取り出して、スイッチを押した。
すると、尚人と田所部長がこれまでに交わした会話の一部始終が、すべて再生された。
「申し訳ないが、今回のゲーム式面接はこちらも初めての試みなのでね。君を信用してないとは言わないが、承諾書の代わりに、すべて録音させてもらったから、そのつもりでね」
尚人は驚きと供に、この時点で少しびびってしまった。
「あっ分かりました」
「では、まもなく開始するが、私はここでひとまず失礼するよ」
「えっ」
おい、尚人しっかりしろ。こういう時は、なんて挨拶するんだっけ…
「ごっご多忙の中、僕、あっいや、わたくしのために、お時間をさいて頂き、誠に有り難うございました」
最初のコメントを投稿しよう!