(八)京都にある業界大手のゲーム機メーカー

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尚人はもう何がなんだかさっぱり分からなかったものの、これで就職出来るのであれば、どんなことでもしたい気持ちだった。 そこで二つ返事で承諾した。 田所部長はその返事を聞いたのち、スーツの胸元から小型の器械を取り出して、スイッチを押した。 すると、尚人と田所部長がこれまでに交わした会話の一部始終が、すべて再生された。 「申し訳ないが、今回のゲーム式面接はこちらも初めての試みなのでね。君を信用してないとは言わないが、承諾書の代わりに、すべて録音させてもらったから、そのつもりでね」 尚人は驚きと供に、この時点で少しびびってしまった。 「あっ分かりました」 「では、まもなく開始するが、私はここでひとまず失礼するよ」 「えっ」 おい、尚人しっかりしろ。こういう時は、なんて挨拶するんだっけ… 「ごっご多忙の中、僕、あっいや、わたくしのために、お時間をさいて頂き、誠に有り難うございました」
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