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「君と、また笑顔で再会出来ることを楽しみにしているよ。じゃあ、幸運を祈っている」
田所部長はそういって、横にいた女性に後のことを一任し、館の外に出て行った。
ガイドの女性は、部長の背中を見送った後、広間の正面にある白いドアのそばまで進んで、その扉を開けた。
「どうぞ桐生様、中へお入り下さい」
そこで尚人は前に進んで、女性が開けているドアの中に吸い込まれるように入って行った。
「バタン」
背後でドアが閉められた。
振り返って、ノブに手をかけると、ドアにはすでにカギがかけられていた。
この時、頭上で「説明事項」と、そんな音声が聞こえて来た。
すると天井から何かがさがって来て、見ると、それは茶色い封筒だった。
「まず、目の前に出て来た封筒をお取り下さい」
音声に従って封筒を手にする。
裏を見ると、〆の文字が印してあって、顔を近づけると、かすかに墨の香りがした。
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