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「さて、その中には、大切な書類が入っています。あなたはぜったいに中を開けず、ゴールまでそれを運んで下さい」
「制限時間は一時間です。なお途中、さまざまな障害物が現われますが、それに対するあなたの反応も、採用判断の目安とされますので、ご注意下さい」
えっ、なんだって。これが本当に就職試験なのか。
「では、今からスタートします。ゴールまで自分の判断を信じて、突き進んで下さい。現在時刻は、午後二時十九分五十五秒、四、三、二、一、スタート」
尚人は、訳が分からないまま、それでも何が出て来るかわくわくして前を歩いて行った。
茶色い封筒を持って、ゲームの中の道を歩いて行くと、ものすごい強風が吹きつけてきた。
手で顔を覆っていると、早くも茶封筒が飛ばされてしまった。
あわてて追いかけると、橋があって、その橋の下の川に封筒が落ちた。
尚人が橋の下を見ると、茶封筒はどんどん流れて行く。
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