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と、ここでまたアナウンス。
「さて、大変苦手な相手が、あなたのそばに現われました。あなたの体力と精神は、もう限界に達しているのではないでしょうか?」
「これは限界への挑戦です。あきらめずに自転車を漕ぎ続けて下さい」
ということは、これって、忍耐のテストな訳?
そうだ忘れてはいけない。
ここではすべてがテストなんだ。
僕は今、ゲームを介して試されている。
ええい、負けてたまるか。
マツミデラックスに触られ、首筋にキッスされて、ぞっとしつつ、尚人は負けじと、重い自転車を必死で漕ぎ続けた。
するとその先の流れに、ようやく例の小舟が見えてきたが、どういう訳か岸に沿って止められている。
そばの土手では、数名の男達がたむろしていて、何やらもめている。
道は、その男達が集まっているせいで、ふさがった状態。
尚人は、マツミデラックスとやっと離れられると思うと、半ば安堵して自転車を停車させた。
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