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それから持ち主でもないマツミデラックスにともあれ礼を言って、自転車を返し、その男達のそばに近づいて行った。
と、これまたびっくりしたことに、
なんとそこに集まっていた男達全員が、書類を拾ってくれた船頭にそっくりな風貌をしているではないか?
「えっ、ヤベェ、どいつがさっきのじいさんだっけ…」
て、いうか。白髪にヒゲ面なんて、以前、大学の帰り道、河原で出会った乞食もそうだったし…
もう、こんな大事な就職試験の時に、よりによって、探していたヤツに遭遇するだなんて。
京都府警で事情を聞かれた時は、あの乞食に再会したら、捕まえて文句を言ってやろうと考えていたが…
僕の一生を左右するこのテストの中で、そんな乱暴なこと出来る訳ないし。
しかもこれだけ同じ白髪でヒゲ面のじいさんがいたら、誰が誰だか分かんない。どうしよう」
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