(八)京都にある業界大手のゲーム機メーカー

15/39
前へ
/237ページ
次へ
それから持ち主でもないマツミデラックスにともあれ礼を言って、自転車を返し、その男達のそばに近づいて行った。  と、これまたびっくりしたことに、 なんとそこに集まっていた男達全員が、書類を拾ってくれた船頭にそっくりな風貌をしているではないか? 「えっ、ヤベェ、どいつがさっきのじいさんだっけ…」 て、いうか。白髪にヒゲ面なんて、以前、大学の帰り道、河原で出会った乞食もそうだったし… もう、こんな大事な就職試験の時に、よりによって、探していたヤツに遭遇するだなんて。 京都府警で事情を聞かれた時は、あの乞食に再会したら、捕まえて文句を言ってやろうと考えていたが… 僕の一生を左右するこのテストの中で、そんな乱暴なこと出来る訳ないし。 しかもこれだけ同じ白髪でヒゲ面のじいさんがいたら、誰が誰だか分かんない。どうしよう」
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

412人が本棚に入れています
本棚に追加