(八)京都にある業界大手のゲーム機メーカー

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尚人は、以前出会った乞食のことなんかより、今はさっきの船頭がどいつだったか突き止める方が先だと考えた。 そこで、とにかくじいさん達のもめ事の仲裁に入ろうとしたのだが… その輪の中には、茶色い封筒が七枚もあって、それをじいさん達は奪い合っている。 「なんで茶封筒が七枚もあるんだ。えっと、僕が最初に手にしたのはどれだっけ」 って、そんなことより、この乞食か船頭か分からないヤツらをどうにかしないと。 えっと、コイツらは一人、二人、三人…十人、十一人、十二…うそ、十二人もいる。 この人数で、七枚の封筒を取り合ってるのか。どうすんだよ尚人。 この時、尚人は、すぐに声をかけず、しばらく考え込んだ。 すると視線の先に、今しがた別れたマツミデラックスそっくりのおねえが映った。 マツミデラックスは、低レベルなコントでもしているかのように、自転車に乗っては落ち、乗っては落ちしている。 無理だってばマツミデラックス。 その巨体で、子供のチャリには乗れないってばよ。
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