(八)京都にある業界大手のゲーム機メーカー

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「だけど、そんなことして、あたしになんの得があんのよ」  確かに…   尚人は言葉につまったが、その後、取り繕うかのようにこう続けた。 「もちろん、あなたにはなんの得もないでしょうが、でも…えっと。その」 「あんた、さっきから、何ウジウジしてんのさ。男でしょうが」 「ハッハイ」 これも絶対にテストだ。 僕はこんなヤツに頭をさげたくないが、もうなんでもするぞ。 今までのプライドをすべて脱ぎすてて、尚人はその場で突然、土下座した。 自分より偏差値の低い人間に頭をさげる。 これまで上べでしか出来なかったことが、気持ちを込めて真剣に出来た。
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