(八)京都にある業界大手のゲーム機メーカー

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見ると、裏にマジックペンで 「封」「締」と書かれた封筒と、明らかに墨で書かれた「封」「締」の文字の封筒。 それに同じく墨で書かれた「〆」の印しのが二枚と、無印のものが一枚あって、尚人は一気に自信がなくなった。 「えっと、確か。何か文字は書いてあったのは、見たから覚えているから、とりあえず、無印のはないだろ」 で、残りの中では、どれだったか? たぶん、〆だったはず。でもこの印のが二枚。どちらも墨で書かれているような? 〆の印が書かれた封筒の二枚に鼻を近づけると、どちらもやはり墨の香りがしていた。 「あんた、せっかくあたしが、じいさん達の中に入って、仲裁してあげたんだから、早くしなさいよ」 マツミデラックスがせかし出す。 「お前。とっとと選べ。でないと、俺達に番が、いつまでも回ってこねぇだろ」 じいさん達も口々に文句を言う。 「え★×△●※そんなこと言われても」   尚人は焦りながらも、ゲームの開始早々のことを思い出していた。
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