(八)京都にある業界大手のゲーム機メーカー

24/39
前へ
/237ページ
次へ
「さぁ、ぼうや。急いでるんでしょ。後のことはあたしがなんとかしてあげるから、早く行きなさい」 なんて親切な人なんだ。マツミデラックスわ。 僕は、彼いや彼女を、オネエだからと言って、最初から偏見の目で見て警戒しまくっていた。 なのにあんたは、そんなに僕を助けてくれるのか、恩に着るぜ。 じいさん達も、先を譲ってくれてありがとうよ。 尚人は。オネエとじいさん達の優しさに触れて、込み上げて来るものを押さえ 「本当にありがとうございました。このご恩は一生忘れません」 と、これがただのゲームだということも忘れて、深く感謝した。 それからしっかりと茶封筒を抱えて、真直ぐに延びている河原の道を歩き出した。 しかし、その後まもなくして、道の前には、険しい崖が現われた。 川の水は、その崖の下にあいた細かな穴を通って、どこかに排泄されていうるようだった。 崖の上を見上げると、巨大なクモの模型が八本の手足を動かしている。 「なんじゃ、これ?どういうことだ」
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

412人が本棚に入れています
本棚に追加