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「ぼうず。その茶封筒の中身を見せろ。俺達の袋には白紙の紙しか入ってなかったぞ」
えっ、アイツら、じいさんのくせに、なんて欲張りなんだ。
それにあのマツミデラックス、あたしがなんとかしてあげるとか言ってたくせに、やっぱりしょせんゲームの中だな。
まったくどいつもこいつも当てにならない。クソッ。
尚人は、ともかく崖を登るしかないと思って、口に封筒をくわえ、蜘蛛が出している銀色の糸を手にして、ただちに登り出した。
でもこれって、まるで芥川龍之介の蜘蛛の糸みたいじゃないか。
いや僕は、あの小説の主人公みたいに、罪人じゃないぞ。
後ろから追いかけて来るじいさん達は、以外と足が達者で、じきに崖の下まで辿り着いた。
そして早い者順に、ものすごい勢いで、同じく蜘蛛の糸を登り出した。
ヒェーッ。なんでこうなるんだよ。
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