(八)京都にある業界大手のゲーム機メーカー

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そこで部屋の片隅にあった冷蔵庫のそばに行って、扉を開けると中には、プラスチック製のカップに入った黄色い飲み物が… よく見るとそのカップには「アンモニア水」という文字が大きく書かれている。 「これって、まさか。テストに入る前に検尿した、自分の尿」 そんなぁ。無理。 自分の排泄物を飲むだなんて、こんなの飲むなら死んだ方がましだ。 どうしよう。 尚人は一度、冷蔵庫を閉めて考え込んだ。 まいったな… その間にも、室内の気温は上昇し、体からは水分がどんどん奪われていった。 尚人はそのうち頭に激しい痛みを感じ出し、体中に熱をおびて、ぶっ倒れそうになってきた。 「水、なんか飲み物」 干上がる自分の肌や唇を触りながら、尚人はもう何も考えられなくなって冷蔵庫のドアを再び開けた。
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