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まさみさんか、仕事とはいえ、こんな汗臭い僕を最後まで見送ってくれるだなんて、本当に優しい人だ。
一緒に働きたいな。尚人はそんなことを考えていた。
こうして大手ゲーム機メーカーでの実に変わった面接試験は、無事終了した。
尚人は、門に立っている守衛と、綾瀬まさみという女性が、遠く見えなくなった辺りで、我慢出来ず周囲に誰もいないことを確認して、茶封筒の封を切ってみた。
すると中には、今日の日付けが入った採用通知が…
その他に、入社する意思を問う書類と返信用の封筒が出て来た。
「ええ、入りますとも、絶対に入社します。このご恩は仕事で必ずお帰します。うちに戻ったら、すぐにイエスの意向を返信しなければ」
尚人は嬉しくてたまらず、調子に乗って舞い上がりそうだった。
彼は、この書類をなくしてはならないと思って、大切に茶封筒の中に再度しまって、それを抱え込んで歩き出した。
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