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ゲーム機メーカーの本社敷地をぐるりと周りながら大通りに向かってスキップして行くと、別館の裏手に立派なお屋敷が見えてきた。
どうやらその屋敷は、試験会場となっていた別館とつながっている構造のようだった。
スキップしていた足を止めて、植木の隙間から屋敷を垣間見る。
西洋風の美しい建物。
すると、木々の合間から見覚えのある男の姿がちらりと見えた。
遠くからでも、白髪にヒゲ面のじいさんだと分かる。
あれはゲームの中に登場していたじいさんの一人。
もしや…ヤツが僕にバーコードリーダーを渡してきた乞食では…
だがその老人は、立派な屋敷の中へ入ったきり、その後しばらく待っても姿を現わさなかった。
尚人はもうどうすることも出来ないとつくづく感じた。
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