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でもなんで、あのむさくろしいじいさんが、ここの屋敷に入って行ったんだろう。
残りのヤツはどこへ行ったんだ。
彼は、その場でしばらく悩んでいたが、体力を使うゲームをして、へとへとだったので、じょじょに頭が働かなくなって、考えるのがめんどうに思えてきた。
もうどうでもいいか。
あのバーコードリーダーをくれた乞食のじいさんと再会したら、すぐに京都府警に連絡してくれと言われていたが…
今日ゲームで十二人もよく似たじいさんを見て、正直、記憶が曖昧になって自信がなくなってきた。
それにせっかく採用通知を出してくれた会社の中で、あの乞食に似たヤツを見ただなんて、とてもじゃないけど僕の口からは言えやしない。
「何事も大切な時期、事なかれ、事なかれ。もう僕には関係ない」
尚人はそう自分にいい聞かせて、これまでに起こった悪夢をすべて、忘れることにした。
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