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「ちっめんどくせ」
尚人の口から、つい本音が飛び出した。
すると若手捜査官の谷岡佑介は、それを聞き逃さなかった。
「なんだと。もういっぺん言ってみろ」
尚人はふてくされて、プイと横を向いた。
「お前、何もやましいことがないなら、別に構わんだろうが」また谷岡。
「分かりました。じゃあ、押収してもらって結構ですが、その代わりに同じメーカーの、まったく同じタイプのパソコンを、代用品として用意して下さいね。セットアップもしてくれる、二の丸ムセンで買ったから、そこに電話して、今すぐ同じのを、持って来てもらって下さい」
「図々しいヤツだ」
谷岡がそう言うのを聞いて、尚人は堪忍袋の尾が切れた。
「図々しいのは、どっちだ」
彼は、小声で言い返した。
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