(二)ミッション1

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僕は、目から取り入れた妙な光の刺激を、脳に伝達した時点で、 ゲームのキャラと一体化したような感覚に陥った。 人間の脳は不思議だ。 どんな風に機能したのか分からなかったが、ともかく僕は、バーチャルなゲームの空間に、体ごと、すっぽり入ってしまった。 僕は、就活にいつも愛用していた紺色のスーツを着て、イラストのキレイな街を歩いていた。 まもなく、都(みやこ)銀行の本店が見えて来た。 ゲームとは言え、最初の擬似就職先に、僕は迷うことなくその銀行を選んだ。 新入社員として、任務を遂行するべく、早速、入口に立つ。 と、じきに一階から三階までの本店ビル内のイラストに、部屋割りが出て来て、それぞれのキャラが行ったり来たりし始めた。 個室があたっているのは、もちろん、会長、頭取、副頭取、それに常務クラスまで。 以下、監査役、部長、課長クラスからは、二階のフロア。 僕は、以前シュウカツで訪問した都銀行ということもあって、思わずのめり込んでいった。
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