(九)回想から、現実へ。

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「もちろん。今のところは、無関係だと考えているから、何もアクションをこちらから起こしたりはしないよ。今のところはね」 なんだ、それ?引っかかる言い方をするな? 「でも、今日、我々が君のところに来たのは、君が故意にではなくても、ゲームを通して、都銀行のデータベースに、悪性ウィルスを侵入させた件と、もう一つ、別件について知りたいことがあって、ここまで来たんだよ」 「えっ、別の件て」 「実は、我々は、もともと東京で起きたテロともいえる事件を捜査していてね。その流れで、京都に足を運んだんだ」 「テロって、そう言われている最近の事件て…まさか」 「ああそうだ。君も新聞とかテレビとか何かで、知っていると思うが、あの東都大学の学生の事件と、多数の国会議員達が犠牲になったメール事件のことだよ」 「えっでも、なんでその事件の捜査が、僕に及ぶんですか?僕関係ないです。絶対にそんなの関わってないです」 尚人は焦りまくって、そう口走った。
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