(十)爆狼怪人からのメッセージ

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もちろんヤツのファンは、そのまま健在だったが、注目度が減った分、世間からは忘れ去られようとしていた。 僕もそう。 悪夢から解放されて、風のように過ぎ去ったあの数ヶ月のことを、決して振り返らないと決めていた。 そりゃあ一時期は、就職のことや、巻き込まれた事件のことで、深い谷底に落とされたような気分だったが、今は季節同様、身も心も清々しかった。 だが… 卒業式を目前に控えた早春のある日、久々に僕は、ヤツのことを思い出す事態に遭遇する。 携帯のディスプレイに、知らないアドレスの表示。 届いたメールは…なんとなく、一人で見るのが怖い。
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